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[ 498] わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大教師が新入生にすすめる100冊
[引用サイト]  http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/04/100_d0c8.html

東大教師が選んだ新入生向けのブックリストとして、新書「東大教官が新入生すすめる本」と、紀伊國屋書店のサイト[参照]がある。全部で2100冊程と膨大なので、まとめる。まとめるだけでは面白くないので、100冊に絞ってランキングする。
新書もサイトも、「ただ並べてあるだけ」なので非常に見づらい。さらに、くりかえしオススメされる本の「重み」が見えないため、以下の基準で編集→ランキングする。
全集・分冊は丸めて1冊にした。ただし、全集の中の特定巻を指してある場合は「ソコを読め」というメッセージなので別枠とした
1.について : 参照元は[ここ]。さすが東大教師、カタい本ばかり紹介する方もいれば、ミステリ(しかも古ッ)を衒いなくオススメする人もいる。大勢に影響はないけれど、最新版にした。
2.について : 駒場の人にはおなじみかもしれないけれど、いわゆる教科書なのでパス。一般教養書として優れたものもあるので、ご興味のある方は「東京大学出版会」もしくは「東大出版」でまとめファイル(文末にリンク)をフィルタリングしてみては。
「量子力学」は朝永先生の方を挙げるべきだし、「解析入門」は杉浦先生版が得票多し。同書名に集まった票が割れるので順位が変わってくる。今回は「名前+著者名」でソートした。
こうやって一覧化すると、自分がいかに読んでないかがよーく分かる。内なる声も読めといい、欲望はいっこうに衰えてないにもかかわらず、いまだに読めていない本が沢山ある。幸せなのか、ふしあわせなのか分からないが。人生は有限だ。そしてわたしは、このことをよく忘れる。
「カラマーゾフ」強し!こいつを超えるスゴ本はないのかも(あれば望外のヨロコビ)。あるいは、こいつを何度も読みながら、こいつを超えるスゴ本を探すのが人生のテーマなのかもしれない。
わたしが小説を読む理由は、そこに欲望が書いてあるから。欲望は様々な形を取る。権力欲、支配欲、愛欲、性欲、意欲、我欲、禁欲、強欲、財欲、色欲、食欲、邪欲、情欲、大欲、知識欲、貪欲、肉欲… 「カラ兄」には、ありとあらゆる「欲望」が書いてある。アリョーシャの、ドミートリーの、イワンの、そしてフョードルの持つ、気高いものから残酷な欲望まで、わたしは、読む行為を通じて彼らの欲望をオーバーライドするのだ。
新潮文庫の帯のレビューを提供した縁もあるので、新潮文庫を推したいところだが… ごめんなさい、光文社古典新訳文庫の亀山郁夫訳「カラマーゾフ」をオススメする、しかも強力に。なぜなら、抜群に読みやすくなっているから。「読みやすいカラマーゾフって、あり?」驚く方もいらっしゃるかもしれない。別に昔のが難解だったといいたいわけではない。「いま」の「わたし」のコトバで再構成された「カラマーゾフ」が、とてつもなく入りやすくなっている!これは事件だ!と叫びたくなる。
「場違いな会合」での大爆発シーンで比較してみよう。「どうして、こんな男が生きているんだ!」のところを読み比べる。既読の方はニヤリとしてね。
「決闘だ!」と老人を息を切らして、一語一語に唾を飛ばしながら泣声を上げた。「ところで、ミウーソフさん、今あんたが失礼にも『じごく』呼ばわりをしたあの女ほど、高尚で潔白な(いいですか、潔白なと云うておるんですよ)婦人は、あんたのご一門に一人もありませんよ!それから、ドミートリイさん、お前さんが自分の許嫁をあの『じごく』に見変えたところを見ると、つまり許嫁の令嬢でさえあの『じごく』の靴の裏ほどの値うちもないと考えたわけでしょう。あの『じごく』はこういうえらい女ですよ!」 「恥ずかしいことだ!」突然ヨシフが口をすべらした。
「恥ずかしい、そして穢(けがら)わしいことだ!」しじゅう無言でいたカルガーノフが突然まっ赤になって、子どもらしい声をふるわせながら、興奮のあまりこう叫んだ。 「どうしてこんな男が生きてるんだ!」背中が丸くなるほど無性に肩をそびやかしながら、ドミートリイは憤怒の情に前後を忘れて、低い声で唸るようにいった。
「決闘だ!」老人は息をあえがせ、一言ごとに唾をとばしながら、またわめきたてた。「それからミウーソフさん、いいですかね、おそらくあんたの一族には、たった今あんたが厚かましくも牝犬よばわりしたあの女ほど高潔で誠実な女性は、ええ、誠実な女性はさ、おそらく一人もいないでしょうよ、過去にだって一人もいなかったにちがいないさ。それから、ドミートリイ君、君だっていいなずけをそんな<<牝犬>>に見かえたところを見ると、つまり、いいなずけはあの女の踵ほどの値打ちもないと、君自身が判断したというわけだ。立派な牝犬じゃないか!」 「恥を知りなさい!」突然イォシフ神父が叫んだ。 「恥を知りなさい、みっともない!」終始黙っていたカルガーノフが、青年らしい声を興奮にふるわせながら、顔を真っ赤にして、ふいにどなりつけた。 「こんな男がなぜ生きているんだ!」もはやほとんど怒りに狂ったようになり、なにか異常に肩をそびやかし、そのためほとんどせむしに近い格好になったドミートリイが、低い声で唸るように言った。
「決闘だ!」息を切らし、一語ごとに唾を飛ばしながら老人はまたわめき立てた。「で、いいですかミウーソフさん、おそらくあなたの一門にはあなたがおっしゃった淫売ですかね、大胆にもあなたがさっきそんなふうに呼んだ女性より気だかくて上品な女性はいない、過去にもいませんでしたよ!それとドミートリー君、君はご自分のフィアンセからこの『淫売』に乗り換えた、つまり、君のフィアンセですら彼女の靴裏にも値しないって、ご自分から宣告されたわけだ!淫売とやらもなかなか捨てたもんじゃない!」 「恥ずかしい!」ふいにヨシフ神父が口走った。 「恥ずかしいし、恥ずべきことだ!」ずっと押し黙っていたカルガーノフが、ふいに顔を真っ赤にし、いかにも少年らしい声を興奮に震わせながら叫んだ。 「どうして、こんな男が生きているんだ!」怒りのあまりほとんど前後の見境いをなくし、両肩をなぜかひどくいからせながらなかば猫背になったドミートリーが、うつろな調子で唸るようにつぶやいた。
ポイントはグルーシェンカを指している言葉。亀山訳で「淫売」呼ばわりされるのはたまったものじゃないが、雰囲気的にはこれがピッタリだろう。一方で、原訳の「牝犬」は一番好き。米川訳の「じごく」は、観音様の御開帳をホーフツとさせる。
亀山訳が読みやすく見えるのは、口語が現代の言葉になっているから、だけではない。句読点を増やすことで、主述の見通しをよくしたり、名前をバッサリ切り取って文字密度を薄くすることで、追いやすくなっている。
ロシアの正式名としては、「名・父称・姓」の三つをこの順に並べて言う。「ドミートリィ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ」は、「カラマーゾフ家のフョードルの息子ドミートリィ」という意味だ。昔の訳は、この父称があっちこっちに出てくる。三人称で書くときに、姓だったり名だったり、名+父称+姓だったりする。これに愛称(ミーチャとか)が追加されると、もう誰が誰だかわからなくなる。ちなみに、カラ兄3兄弟はこんな愛称だ。
これが、新訳になると、「ドミートリー」で一本化されている。呼びかけとか、会話の中で明確な場合は愛称が使われるが、基本的に一つの名前で一人を呼んでいる。おかげで、初めて手に取る人の敷居がグっと下がったはず。
東大教師は、岩波文庫や新潮文庫を読んできて、「これだ!新入生はコレを読め!」と推している。もし光文社新訳文庫版を読んだら、力いっぱい言うに違いない。わたしも唱和して力説しよう。「未読の方こそ幸せもの。カラマーゾフは小説のラスボスだが、新訳なら、いま倒せる!」ってね。ただし、訳はやさしいけれど、中身は一緒、あらゆる苦悩が詰まっている。一緒にのたうちまわろう、「大審問官」で。
あの結城浩さんが座右の書としているという理由で、読む前からスゴ本だと断定。何度も図書館から借り出すも、あえなく撃沈(だって見てよこれ、ハードカバーで700頁を越えるんだよ!しかも、数学、アート、音楽から始まって、人工知能、認知科学、分子生物学、言葉遊びまで散りばめられていて、一体何の本なのかすら見当もつかない。
GEBの内容を一言で説明するのはむずかしい。中心となっているテーマは「自己言及」だが、これが数学におけるゲーデルの不完全性定理、計算機科学におけるチューリングの定理、そして人工知能の研究と結びつけられ、渾然一体となっている。エッシャーのだまし絵やバッハのフーガはこれらをつなぐメタファーとして機能している。ホフスタッター自身、本書の中で「これは自分にとっての信仰告白である」といっているように、おそらくこの本は特定の概念を読者に説明するといった目的のものではない。むしろ人間は永久に自分自身に興味をもつことをやめられないであろうという、ホフスタッターの信念をひたすら熱狂的に記述したものとなっている。
これは、読む人のレベルによって姿を変える本の一つなのだろう。バックグラウンドの知や教養の深度によって、得られる「なにか」が変わってくるに違いない。
もし、来年になってもレビューされなかったのならば、「スゴ本の中の人の積ン読ク山が一段と高くなったに違いない」と笑ってやってくださいませ。
1909年、カナダで5億年前の不思議な化石小動物群が発見された。当初、節足動物と思われたその奇妙奇天烈、妙ちくりんな生きものたちはしかし、既存の分類体系のどこにも収まらず、しかもわれわれが抱く生物進化観に全面的な見直しを迫るものだった…100点以上の珍しい図版を駆使して化石発見と解釈にまつわる緊迫のドラマを再現し、歴史の偶発性と生命の素晴らしさを謳いあげる
スゴく惹かれる。昨年「要チェックや!」したはずなんだが、読んでなかった、うかつ!だいたい「恐竜は鳥類だった」説に驚愕しているぐらいなので、こいつを読んだら腰を抜かすかも。
批判的に読んでいる人は、グールドなりドーキンスを相当読み込んでいる読み手なので、気にしない。古生代の生物進化は、わたしにとって手付かずだから、いくらでも知的興奮を楽しめる。おお、生きてるうちに読んでおかないともったいないぞ。
43位という中途ハンパさで区切っているのは、ここまでが3票以上得票しているリストだから。44位以降は、1〜2票の候補の中で「わたしが選びなおした」リストになっている。…ということは選に漏れた本も気になるわけで、気になる方は、このエントリの末尾に掲げる全リストのcsvファイルを参照してほしい。
「理科系の」と謳っているのがイヤらしい。文章技術に文系も理系も関係ないだろ、そもそも文理を分けても意味なんて(小一時間略)。それでも読みたい。
新書は生モノ、であるにもかかわらず、10年以上も改版を重ねて読み継がれているということは、それだけで得るものがありそう。かくいうわたしも練達したいので、「文章を書くための手引き」はいくつか読んできた。仕事で役に立ったものは「考える技術・書く技術」と「東大で学んだ卒業論文の書き方」などがパッと挙げられるが、本書も同じ期待をもって読んでみよう。amazon紹介はこんなカンジ…
著者はまず、この目標を1つの文にまとめた目標規定文を書くことを勧める。そうすることで明確な目標意識を持つことができ、主張の一貫した文章を書くことができるというわけである。そしてその目標をにらみながら材料をメモし、序論、本論、結論といった原則に従って記述の順序や文章の組み立てを考え、すっきりと筋の通った形にしていく。本書では本論の叙述の順序、論理展開の順序、パラグラフの立て方から文の構造までを解説
これだけ読んだ段階では、「考える技術・書く技術」のピラミッド・プリンシパルと激しく一緒のような気が…まぁ、「いかに伝えるか」をトコトンまで突き詰めると、原則は似通ってくるのかも。
わたしのイチオシ。これを読んでいるのと読んでいないのとでは、「知」への取り組み方がガラリと変わる。高校生ぐらいのときに読んでおきたかった…「この本がスゴい2006」で10傑に入っている。
10年前に書かれた本書は「ロジカルシンキング」なんて一言もないけれど、その本質が噛み砕いて書いてある。そこらのロジシン本と一緒にしちゃいけない。今まで読み散らしてきたロジシンものの中で、最高に腑に落ちた。分かりやすいだけでなく、即実践に適用できる『ツール』レベルまで具体化されている。
特に学生さんに読んで欲しい一冊。読んだらレベルアップの音(ちゃらららっちゃっちゃちゃー)が聞こえるはず。東大に限らず、新入生読むべし―― というよりも、東大の新入生は、こんな本を勧められているのか―― とうらやましくなるかも。
実は昨年読んだ…が、ここでレビューしていない。白状すると、レビューできるほど読めていない、というのが真実だろう。
昨年の同企画で紹介して→発奮して→勢い込んで読んでみたけれど、拍子抜け。あたりまえのことがあたりまえに書いてある―― 現代の思考形体の礎を400年前に書いたということ自体はスゴいことなんだけど、わたしの肝に落ちずにスルスルと読めてしまった。
むしろ、小林秀雄の解説の方に引っ張られる。当時の知識人がラテン語で書いていたのを、あえて通俗的な(とされていた)フランス語で書いたことや、自分の半生を振り返る形で思索を深めていく構成なので、読者も段階的に入っていけるという仕掛けとか。
それまで受け容れてきた意見から脱却することを志した際、精神を導く原則としてデカルトが立てた4原則は、迷ったときのわたしの道しるべになるだろう。普遍的に使える。
ここからは、わたしの独断で選書している。なるべく昨年と違うラインナップで、わたしが読みたい本(再読したい本)を心がけている。ああ、読んでない、読みたい本がこんなにあるしあわせ。
デカルトで思索の原則を読んだら、今度はもっとプラグマティカルな奴を。一般に、勉強マニアは蔑称だけど、そう呼ばれたい俺ガイル。願うほどやってないのが現実なのだが、なんかこう、脳を使い続けたいというか、動かしつづけたいんだ。運動していないと体がナマって、本能的に駅階段ダッシュしたくなったり、ねちっこいセックスでひと汗流したくなるような、そんな衝動が脳にもある。で、「資格試験のため」と称して詰め込んでやると、アタマが喜ぶ。そんな知識なんて何の役にも立たないけどな!
最高の勉強本といえば、「キミにもできるスーパーエリートの受験術」がすぐ思い浮かぶが、残念ながら絶版で「幻の名著」とされている。オークションで6〜8万円ナリ(5,000円程度で読む方法は、リンク先を参考にしてちょ)。この勉強本と比較してみると面白いかも。amazonレビューはこんなカンジ…
その基本原則は、「面白いことを勉強する」「全体から理解する」「8割までをやる」の3つだという。基礎から積み重ねていくきまじめな勉強法は見直す必要がある。そして、著者が推奨するのが丸暗記法である。英語であれば、教科書を何回も音読して覚えることが成果を上げる早道になるというのだ。受験数学もできるだけ多くの問題と解法を暗記することがポイントと説く。そのうえで、暗記ノウハウもきちんと紹介している
だから本書も読んだ傍から使っていくつもり、「うすくてすぐ読める」のはすぐ使うための必要条件だから、ポイントはクリアしているみたいだな。どこかで聞いたことがある気の利いたこのセリフの出典は、どうやら本書らしい→「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」、読むべ。
アフィリエイトで意識するようになったテーマ。ネットでの行為が立派な経済活動となりつつあるので、当然課税の面も気になるようになった。電子商取引への課税に関する国際機関での議論をまとめたもので、しかも2001年に出版されているため、いささかの古臭さ&的外れ感は否めない。
だが、電子商取引への課税はどのような原則で行われるべきかが理論的に整理されているとの評を鵜呑んで、手にしてみるか。類書があればひととおり読んで、ネットでの経済活動に対して、どういう原則で、どのように徴税しようとしているかを理解しておきたい。
―― なぜか? それは、徴税側へメリットをもたらす仕掛け(=ビジネス)が生まれるから。新たなフレームワークには新しいビジネスチャンスがっ→「徴税されるところに脱税あり」。わたしはしがないリーマンだけど、大もうけしたいならば、この仕掛けを実装するところで副業したいね。
ごぞんじ猫猫先生(blog:猫を償うに猫をもってせよ[参照])の著書。禁煙ファシズムは野次馬的に楽しませてもらっているが、本書の非モテ論は文字どおり抱腹絶倒させられる。自分を恋愛弱者におとしめ、その地点から巷の恋愛主義をバッサリ斬っているので、よくある「モテないインテリのひがみ」という批判が最初から届かない位置にいる。だって、批判の口を開く前に、あのフレーズが―― 弱い者たちが夕暮れ、さらに弱いものを…
歌謡曲やトレンディドラマは、恋愛するのは当たり前のように騒ぎ立て、町には手を絡めた恋人たちが闊歩する。こういう時代に「もてない」ということは恥ずべきことなのだろうか?本書では「もてない男」の視点から、文学作品や漫画の言説を手がかりに、童貞喪失、嫉妬、強姦、夫婦のあり方に至るまでをみつめなおす。これまでの恋愛論がたどり着けなかった新境地を見事に展開した渾身の一冊。
で、本書で初めて猫猫先生の御顔を拝見したわけなんだけど―― [ブ]ではなかった。いい顔しているじゃねーか!
ほほう、今年から「ローマ人の物語」がエントリされている。昨年完結したからなぁ。このblogでは「読書感想文まとめ」シリーズで延々と紹介している[参照]。オススメしている教授は、海洋地球化学・古海洋学という面白そうな分野のエキスパートらしい。教授曰く、
時間に余裕のある学生時代にこそ、悠久の時の流れを考えてほしい。4巻、5巻のユリウス・カエサルは著者の「お気に入り」だけあってとてもおもしろい
あくせくしているリーマンが読んでも、悠久の時の流れはそれほど感じられない。カエサルの件が抜群に面白いのは激しく同意、むしろ、他の巻は同一人物が書いたとは思えないほどの高低差が目に付く。全部読んでから、あらためて断言するつもりだけど、「ハンニバル戦記」と「ユリウス・カエサル」だけ読めばOKのような気がする(←『気がする』は、全読したら外して宣言する)
これは面白そう!だいたい少年+ロケットは古来より王道中の王道、まちがいない[証拠]。リンク先の「夏のロケット」でも書いたけれど、ロケットを作って飛ばすことはそんなに難しいものではないそうな。原理は単純だもの=「地球の引力を振り切るエネルギーを込めて、ブツを放り投げる」…ただ、コントロールすることがめがっさ難しい。夜空を見上げた高校生4人のアタマに取り付いてしまった夢、それは昔、わたしも見たやつと一緒だ。
1957年、ソ連の人工衛星スプートニクが、アメリカの上空を横切った。夜空を見上げ、その輝きに魅せられた落ちこぼれ高校生四人組は考えた―このままこの炭鉱町の平凡な高校生のままでいいのか?そうだ、ぼくらもロケットをつくってみよう!度重なる打ち上げ失敗にも、父の反対や町の人々からの嘲笑にもめげず、四人はロケットづくりに没頭する。そして奇人だが頭のいい同級生の協力も得て、いつしか彼らはロケットボーイズと呼ばれて町の人気者に。
のちにNASAのエンジニアになった著者が、ロケットづくりを通して成長を遂げていった青春時代をつづる、感動の自伝
「どくいり」「きけん」うっかり読むと真黒に染まる。見てのとおり、わたしは染まりやすいので、一読で魅了され、ぞっとさせられた。ああ、わたしは悪霊がのりうつってくる豚なのかもしれないな。以前のレビュー(ネタバレまくり)は、[ここ]。読み返してみて、いかにラストの告白でダメージを受けたかよく分かる。
スタヴローギンは少女をそそのかし、体を開かせ、裸を見ることで支配し、さらに彼女の死体を覗き見ることで神にでもなったつもりか。ちいさく揺れる屍体は狩の成果であり、究極のフェチの対象なんだ(しかも見てるだけ!)。ああ気分わるい。まだ腐りゆく恋人と屍姦しまくる映画ネクロマンティックの方が『健康的』に見える。
デザイン論というか、インターフェース論が目を引く。人が作るものがどのようにしてその形になっているか? どのように「その形」に決められてきたのか? の考察。モノのデザインを決める過程にあるもののうち、最初に目に付くのは固有の文化だろう。「フォークの歯…」なんてその典型。「切り取る肉を押さえつけて、口へ持ってくるため」の裏側に、肉食のバックグラウンドや金属加工の技術要素を論じることができる。
そして次に出てくるのはアフォーダンスだろう。フォークの取手は「取って」もらうことをアフォードしているし、先端は「突き刺す」ことをアフォードする←その形体になれば誰でも気が付く。しかし、歴史的に見た「フォーク」になるまでの過程からすると、いつからフォークは「取手をつかんで突き刺す」ことを"求める"ようになるのか? さらに、最初の「固有の文化」が異なるバックグラウンドのフォークは、違う形になるような気が…(例:肉のフォークと魚のフォーク、サラダのフォーク、先割れスプーン?) 読む前からして、これだけ発想が膨らむんだもの。図版が多いとのことだし、楽しい読書になりそう。
いわゆる「デザイナー」寄りなのは、「生きのびるためのデザイン」のようだ。より社会性を持ったデザインの必要性について、ずいぶん昔から主張されている。手にするときは、同著者の「人間のためのデザイン」も併読するか。
「誰のためのデザイン?」は既読。モノの『形』が裏側の仕掛けを覆ったうえで、効果を想起させるなんて、まんまアフォーダンス。前の2冊と異なり、本書はもう一歩進めて工業製品にまで適用させている(電話とエアコンの事例はハラ抱えて笑った、確かに使えん!)。デザインというよりも、むしろヒトとモノとのインタフェースを考察するうえで有用な一冊となるだろう。amazonレビューは以下のとおり。
新技術を使った道具についていけなかったり、すぐに使い方を忘れたり、間違えてしまったりするとき、私たちは使えない自分を責め、恥じ入ることが多い。しかし、その態度は間違いであり、原因は道具のデザインにある、と著者は主張する。
「デザイナーは、起こり得るエラーが実際に起こることを想定した上で、そのエラーが起こる確率と、エラーが起こった時の影響が最小になるようにデザインしなければならない」この発想こそ、現代ヒューマンインタフェースの根底にあるユーザー中心のデザイン原理なのである
惜しむらくはどれも「古い」こと。ヒトとモノのかかわりあいの基本は、ずっと変わらないので、古くても使えるのだが、そろそろ、新しいインタフェース・デバイスについて、アフォーダンスの観点から考察して欲しいもの…欲を言うと、佐々木正人教授あたりに、Wii リモコンを用いたトワイライトプリンセスでの「アフォーダンス」論を。
余談だけど、あれ、ムズいよね。左ヌンチャクで操作して右リモコンで斬るのはいいけれど、一番リーチのある回転切りが『左』なので、幌馬車護衛で遊べない(バッサバッサと斬りたいのに!)。
2006年に他界した米原万里が遺した書評集「打ちのめされるようなすごい本」にある、打ちのめされるようなスゴ本がこれ。誰が打ちのめされるのかというと、小説家だそうな。たとえば料理の鉄人が、他のヒトが作った料理を夢中になって食べた後の「打ちのめされ感覚」。プロの小説家がペンを折って(今ならキーボードを叩き壊して)裸足で逃げ出すぐらいの、「取り込まれ感」「素晴らしい出来」らしい。
せっかくなので、予備知識が目に入らないようガードを上げている。ホラ、期待している映画の予告編がテレビで流れると、急いでチャンネルを変えるやつ。徹夜本になること大。併せて、「打ちのめされるような…」で一緒に紹介されていたT.クック「夜の記憶」も読むべ。一緒に紹介されている経緯からすると、過去が追いかけてくるお話のような気が。
自信をもってオススメ。こればっかだけれど、東大教師のオススメで既読本は鉄板モノばかり。「何もいわずに、マ、読んでみて」と言える。徹夜小説でもあるので、翌日の予定を確かめてどうぞ。最小限の紹介として、amazonより引用する。
清流とゆたかな木立にかこまれた城下組屋敷。普請組跡とり牧文四郎は剣の修業に余念ない。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす
すまん、この紹介だと押しが弱いので、ちょい補足する。抑制された筆致と、忍従が激情になってほとばしる場面のコントラストが鮮やか。そして、そいつを包み込むような自然描写も、まるでカメラの眼でとらえたかのようにクッキリと「見える」。
小説としての上手さだけではない。運命に翻弄されながらも自分を見失わない少年に自分を重ね、彼の成長を見守り―― カタルシスを待つ我を忘れるほど、移入できる。わたしの場合、徹夜で読んだ上にたっぷり泣いたので、目が真っ赤になったナリ。
「読んでから死ね」という元本は既読―― だが、しょせんわたしの「読み」なので、読み落としやバックグラウンド知識不足による理解モレは、間違いなくある。そいつを補い、再読の楽しみの材料となってくれるはず。所詮は小説、好きに読めばいい、と昔のわたしはうそぶいていたけど、優れた読み手(というか訳者自身)が明かす舞台裏はあまりにも魅力的。元本はどれも長編なので読み通したあとのご褒美なのかも。
本を読む上での気づきというか、基本動作が得られる一冊。読むTipsももちろんあるが、わたしが常々抱いていた、次の疑問について、明快に答えている。これは、「本ばかり読んでるとバカになる」の原則2「読んだら表現する」のベースとなっている。
問い:「本を読んで理解するということは、どういうことか?」言い換えると「本を読んで理解『した』ということは、どういうことか」読んだら、書く。読む場合は、理解するという立場だが、読んだ本を紹介する場合は、他人に理解させるという立場にいる。誰かが作った道を見失うまい、という努力ではなく、自分で道を作り、他人にこの道を歩かせる努力だ。その表現の努力を通じて、初めて本当に理解することができる。文中の借り物のロジックではなく、自分のコトバで伝えようとすることで、心の底へ下りた理解が生まれる
3回びっくりして、1回泣いたSF、レビューは[ここ]。SFというツールを使って、人類のありようを極限の視点で物語化している。し・か・し、円盤や異星人を使って面白くするためのSFではなく、それらは思考実験のための舞台のような気がしてくる。「人類がいまだ"幼年期"だとするならば、その終わり方はどうなるのか?、そしてそれはなぜか?」という問いに答えるための道具。
―― とカタく悩まなくとも、優れたミステリとしてとても面白いことを強調しておく。二十世紀後半、地球大国間の愚劣きわまる宇宙開発競争のさなか、突如として未知の大宇宙船団が地球に降下してきた。彼らは他の太陽系からきた超人で、地球人とは比較にならぬほどの高度の知能と能力を備えた全能者であった。彼らは地球を全面的に管理し、ここに理想社会が出現した。しかしこの全能者の真意は……? SF史上不朽の名作
さて、この紹介から、大傑作と称されるため、どんなストーリーが考えられるだろうか? 未読の方はしあわせ者だ。どうか予想してみてほしい。嬉しいことに、あなたの想像の引力を振り切ってくれる。そして、初版の出た40年前から今にいたっても「大傑作」と言わしめる着地点まで連れて行ってくれるから。
このblogのこんな長文の、こんな末尾まで読んでいるアナタなら、きっと既読でしょうな。そして彼女の力強さに打たれたでしょうな。わたしも「自分の感受性くらい」のラストで頬をはたかれた経験がある。折にふれて幾度も読み返してみたいが、高価だしデカいしなぁ―― そんなアナタに朗報!2007年4月から文庫版がでてますぜダンナ!(お嬢ちゃん!)
このエントリのレビューだけじゃ足りない、という方には、「東大教師が新入生にすすめる本」(文藝春秋編 2004)をオススメ。1994〜2003年までの1500冊分の紹介がされている。「本の本」として片っ端から読むよりも、「世の中にこんな本があるんだ」といったカタログ的に眺めるのが賢いやり方だと思うぞ。んで、本当にその本が(自分にとって)必要なときには、向こうの名前が目に飛び込んでくるから…書店で、図書館で、ネットで。
人生は有限なので、読みたい本と読むべき本の棚卸しは必要。でないと、「そのときの気の向くまま」に流されて、結局読みたい本が読めてないままになる。「あとで読む」と決めた本は、結局読まないことが多い。わたし自身、昨年のリストを見直しながら、「去年の決意はあまり実行されてないなぁ」とタメ息をついている。それでも、定期的に読みたい(読むべき)リストを作る機会にめぐまれたので、ありがたい。blogサマサマやね。
それにしても、こんなスゴい本を紹介される東大の新入生、うらやましいぞ。そういや、昨年の100冊リストを「とてつもないボスキャラクラスの書物たち」と称した方がいらしたが、ちッちッちッ、それは違うよ。ボスキャラクラスの書物は、「教養のためのブックガイド」に並んでいる。このリストで紹介した本も、ちらほら入ってはいるが、「ボスキャラ」は本書にある。おそらく、これが東大のレベルなんだろうな。わたしにはレビューすらできない巨神兵ばかり。いわゆる「巨人の肩に乗る」ための書物群。
随分前から読みたいと思っていた『カラマーゾフの兄弟』は、訳あってなかなか読むことが出来ませんでしたが、ようやく読み始めることが出来ました。
山海経とか興味がある分野を覗いて、取りあえず“読んどけ”ってな守備範囲外な本の参考にしています。
... [続きを読む]
Dain氏のわたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大教師が新入生にすすめる100冊を見て,面白そうだったので関連本棚とか関連書籍とか本棚演算でやってみようかと思ったものの,よくよくリストを見たらISBNベースではなくてショボン。まあでも紀伊國屋のサ... [続きを読む]
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大教師が新入生にすすめる100冊 ところでこの場合も、前置きなしというわけにはいかないんだ、つまり序文ぬきというわけにはね、ちぇっ! はてブに上がってて思った。 「おいおい、これって去年のエントリーじゃねー... [続きを読む]
今回の2007年版のリストを拝見して、自分が読んでいない本の多さに落ち込む一方で、燃えてくるものもありました。早速プリントアウトして、今後の参考にしようと思います。
一方で、やっぱり『カラマーゾフ』は強いですね。来月は古典新訳文庫から『地下室の手記』も出るそうで、六月あたりにはドストエフスキーのちょっとした流れが来るかもしれませんね。
「本ではなく人を探す」という方法とリンクする部分があると思います。わたしは、未知の分野の本を検索するとき表示されるリストマニアから派生していくことがよくあります。Amazonのレビューは玉石混合ですが、素晴らしい方もたくさんいらっしゃるので非常に参考になります。
先日、本屋さんでDainさんのレビューが載っている帯の『カラマーゾフ』を見つけました^^ 個人的には新訳より、思い入れのある新潮文庫版が好きなのです。
カラマーゾフはギャグ小説じゃないのですか・・しかも東大教授がお勧めする一位だなんて。読む人によって変わるんですね。
そうなんです、読んでも読んでも、まだ読んでない本に「気づかされる」しあわせ──しあわせなのかどうか、わからなくなりつつありますが…
リストマニアですか… はい、よくチェックしていますが、皆様、「妥当な」選書が多いですね。最初の数冊を見ると、ラインナップはだいたい想像がつきます。ただし、H マンガ系のは大いに参考にしています。これこそ趣味が重要なので。
なんとかブロガーの仁義に反しない形でこの記事にリンクを貼って記事を書きたいのですが、なかなか難しいです(苦笑)
ええと、読者の年代にもよりますが、新潮文庫の「濃い密度」ものもアリかと。文体からして多声性を実現しているのが、原卓也訳だと思います(句読点なしでよくしゃべるしゃべる)。
いっぽう、亀山郁夫訳は「ひらがな」を多用しているため、とっつきやすいですが、「軽さ」は否めません(「大審問官」の重々しい文体とのコントラストは面白いかも)
東大生もいろいろですが、東大で教えている人は、いいホンを読んでいらっしゃるなぁ、と思います。「東大教師が新入生にすすめる本」(文藝春秋編 2004)のレビューを見ると、実感できるかも。
はい、ぜひ新訳でラスボスを倒してくださいませ。読みやすくなってはいますが、ものスゴい小説であることは太鼓判を押します。覚悟してどうぞ。

 

[ 499] 米デューク大学、新入生全員に『iPod』を配布 | WIRED VISION
[引用サイト]  http://wiredvision.jp/archives/200407/2004072101.html

ノースカロライナ州ダラムのデューク大学は19日(米国時間)、学内におけるテクノロジーの積極的な活用を促進するプロジェクトの一環として、この秋に入学する新入生1650人に無料で『iPod』(アイポッド)を配布すると明らかにした。
周知のとおり、iPodは授業の場以外での使いかたのほうがよく知られている。iPodはポケットサイズで、内蔵のハードディスクに最大1万曲を保存でき、デジタル音楽への関心を高める起爆剤の役割を果たしてきた。
さらに学生は、大学側が『iTunes』(アイチューンズ)を模して作った専用ウェブサイトから、授業内容や講義の録音、外国語の授業、オーディオブック、音楽などを自分でiPodにダウンロードできる。一部のクラスでは、フィールドワークの間に音声メモを録音するためのボイスレコーダーも配布される。
デューク大学のトレイシー・フューゼイ副学長(IT担当)は、教室およびキャンパス内コミュニティーの両方でさらに広く情報を活用できるようにすることも、目標の1つだと話している。大学側では、教師や学生からiPodを活用した独創的なアイディアが出てくるのを楽しみにしているという。たとえば、学生新聞がiPodを使って、論説記事を毎日音声で配信するといったものだ。
デューク大学は、単発のテクノロジー・プロジェクト向けの基金を使って、今回の経費をまかなう。大学の試算によると、導入費用は50万ドルを越えるとのことで、この中には技術者を1人雇用する費用やiPodの購入費用、その他の研究費用などが含まれるという。iPodの製造元である米アップルコンピュータ社との価格面での契約内容は明らかにされていない。
スペイン語のリサ・マーシェル客員助教授は、初級の集中講義でCD-ROMを使った聞き取り訓練を行なっている。しかしときおり、授業の進み方がある学生には速すぎるし、ある学生には遅すぎるという状況になることがあった。「学生が退屈そうにしていたり、理解できなくて不安になっているのがわかる」とマーシェル客員助教授は述べる。
またマーシェル客員助教授は、学期中に読む4つの短編小説についてネイティブの朗読を録音し、テキストを読む以外にも正しい発音やイントネーション、アクセントを学べるようにしようと計画している。
フューゼイ副学長によると、iPodを配布するという今回の実験は、ピアツーピア・ネットワークを使った著作権侵害行為の防止を意図したものではないという。しかし同副学長は、「簡単に使える合法的な選択肢を与えることは、違法なファイル交換を防止するのに役立つと思う」と話している。
他大学では、デジタル音楽配信サービスと協力し、学生向けの専用サービスを提供する試みを始めているところもある。これは、ネットワークの帯域幅を浪費するだけでなく、学生が訴訟に巻き込まれる(日本語版記事)可能性もあるピアツーピア・ファイル交換への対抗策だ。
コーネル大学、ジョージ・ワシントン大学、オハイオ州立ライト大学、ミドルベリー大学、マイアミ大学、南カリフォルニア大学では、この秋の新学期から学生に音楽のストリーミング配信サービスを提供するため、米ナップスター社と提携した。ペンシルベニア州立大学とロチェスター大学では、いち早くナップスターと提携し、既に前学期から、同様のサービスの提供を開始している(日本語版記事)。

 

[ 500] Amazon.co.jp: 東大教師が新入生にすすめる本 (文春新書): 文藝春秋: 本
[引用サイト]  http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%8C%E6%96%B0%E5%85%A5%E7%94%9F%E3%81%AB%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%96%87%E8%97%9D%E6%98%A5%E7%A7%8B/dp/416660368X

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知の専門家たちが選んだ教養としての千五百余冊! 十年間にわたる東大教師へのアンケートをもとに構成されたブックガイドの決定版! 百八十人の研究者たちの知の蓄積を一挙公開!!
本書は、東大教師による新入生のためのブックガイドとして、毎年四月、雑誌『UP』(東京大学出版会)に掲載されていたアンケートを再構成したものです。今回収録したのは、一九九四年から二〇〇三年まで。百八十人の執筆者によって選ばれた本は、なんと!千五百余冊にも及びます。知の専門家たちが心を込めて書き記した、書物への熱い思い―それは時代や研究分野の枠を乗り越えて、私たちに読書のすばらしさを教えてくれます。
職柄読書は仕事と同じである。その読書のために、自らの視野を拡げるために、この種のガイドブック、書誌や目録を読むことも読書の一種である。知のマップを充実させ、刺激を受けたり、インスピレーションを得るためにも読む。この種の書評で評価が高いのは毎年PR誌「みすず」(みすず書房)に掲載される識者たちのものが充実している。本書は大学1年生のために編まれているが、新書として上梓されたように、誰が読んでも興味深い古典文学からファンタジーまで、数学から天文学まで、およそリベラル・アートと呼ばれる森羅万象を網羅する。流石に教養部の先生方の執筆で、公私両方の観点から自由に選ばれた名著の蓄積には迫力があるが、一人に割り当てられた紙幅は充分ではない。索引は執筆者のみなのが残念だ、取り上げられた著者と書名が引けてはじめて一人前である。寄稿文にも再度手を入れてもらって改訂版が出ることを望む。かならずもっと楽しく読めるはずだ。
本書は東京大学出版会の新入生向け特集を十年分(94〜03)まとめただけの、
失礼ながらやっつけ仕事の本です。
なお、04年度以降の分は同出版会のHPにアップされています。

下の方も指摘されるように、
なんといっても検索機能が悪すぎます。
これでは、先生方の名前をある程度知っている、
東大生か元東大生しか使いこなせないでしょう。

年度別に掲載する必要性も全くなく、
むしろ先生方の所属別に再編するなど、
一般読者のために配慮すべきです。
年度別の各章冒頭の、東大関連ニュースも要りません。

とはいえ、主に若手の著名な先生方のまとまった書籍紹介は貴重であり、
おそらく今はセンター試験対策に忙しいであろう受験生の方々は、
合格後にぜひ本書を手にとって充実した大学生活に役立てていただきたいです。
東大出版会広報誌UP掲載の「東大教師が新入生にすすめる本」を綴り合わせただけで、なぜか「文芸春秋社編」としているやっつけ仕事の本。「時間は腐るほどあり、読書が仕事」「頭が良いと自負」という想定読者条件から「専門家には基本だが読むのに時間と労力がいる本」が並び、社会人には最悪のブックガイド。専門家に高評価の本を探すには良い本だが、「ウェーバーやアリストテレス等超基本」「個人的に好きな本」「身内や自分の書いた本」の紹介が目立つ。「私の教える学問がこうだからこれが必須」という説明が少ない。森嶋通夫が出征する時恩師に「軍隊で読む本」として、「社会科学で数学的分析を試みるならベルクソンとポアンカレは必須」と示唆され、その勉強が一生役に立ったというが(森嶋通夫「学校・学歴・人生」:岩波)、そんな骨太の教え方ができる師は東大にももういないのか。高橋和己が一時代の知識人に与えた影響の大きさに驚く。
もともと私は、「本をお勧めする本」は好きでよく目を通すし参考にしているが、この本は本当におすすめできる。...
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今年で52歳になる。大学に入ったのは学生紛争が終わった直後のしらけた時代だった。ゼミの教官に一定の距離を置き、何を学ぶということもなく無為に過ごしてしまった4年...
一通り目を通してみました。いろいろな教授がいろいろな本との出会いや思い入れを語っていて、アツいなぁー、と思いました。薦めている本も様々で、「それ...
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